株式会社ダイイチ
十勝、旭川、札幌でチェーン化成功
1958年に「株式会社帯広フードセンター」を設立し、市内に本店(現壱号店)を開店。地域に密着した食品スーパーマーケットのチェーン化を図り、帯広、旭川、札幌で店舗を展開する。地域の発展とともに順調に業績を伸ばし、2013年に売上高が300億円を突破した。札幌証券取引所、東京証券取引所ジャスダックスタンダードに株式を上場。2013年には、株式会社セブン&アイ・ホールディングスグループの株式会社イトーヨーカ堂と業務・資本提携し、プライベート商品を取り扱うなど、経営基盤と収益力の強化を図り、さらなる業容の拡大を推し進めている。
Top Interview
十勝の社長に聞く
提携で成長スピード加速
Vol.1 〜提携で成長スピード加速〜
イトーヨーカ堂との資本・業務提携―
単独で経営が成り立たないわけではないが、企業としての成長スピードを加速させるために、イトーヨーカ堂との提携が最良と判断した。原価の低減、人材の交流、電子マネーの導入など、ダイイチが持っていないノウハウを提携によって得ることができた。
品揃え豊かになり選択肢広がる
セブン&アイのプライベートブランドの取り扱い効果―
セブン&アイのプライベートブランドである「セブンプレミアム」、「セブンゴールド」の取り扱いで、売り上げが伸びたとか、来店動機が増えたといったことはない。既存のナショナルブランドとセブン&アイのプライベートブランドの融合により、品揃えが豊富になり顧客の選択肢が広がったことは大きな成果だと思っている。
電子マネーの高い利用率に驚き
電子マネー「nanaco」の効果―
当初予定していたよりも「nanaco」の利用率が高い。とくにイトーヨーカ堂帯広店に近いダイイチ自衛隊前店、同みなみ野店の利用率はひときわ高い。消費者にとっては、イトーヨーカ堂、セブンイレブン、ダイイチで「nanaco」が使えるようになり、利用範囲広がったことは喜ばれていると思う。
『オムニチャネル』時代の到来
Vol.2 〜『オムニチャネル』時代の到来〜
商売の方向性―
GMS(総合スーパー)と比較して小さなコンビニエンスストアの店舗を全国に持つセブン&アイが、コンビニとスーパーとGMS、ネットショッピングを融合した『オムニチャネル』(実在する店舗とインターネット上のバーチャル店舗での販売を融合した新しい購買スタイル)時代の到来に向け準備を進めている。そのことは、セブン&アイグループの鈴木敏文会長も公言しているし、私も同じ考えでいる。『オムニチャネル』時代は目の前に来ており、今秋から『オムニチャネル』化に向けた取り組みが始まる。百貨店での買い物が、インターネットを使うことでコンビニでも受け取りが可能になる。コンビニの店舗を数多く持っているところは、より有利に商売ができることになる。
帯広ブロックは『スクラップ&リニューアル』
新規出店についての考え―
帯広ブロックは一昨年、『音更店』が開店し、今年は『めむろ店』を改装している。帯広ブロックはマーケット的に、これ以上出店する場所が見当たらない。既存店舗の改装を中心に、小さな店舗を大きくするなど『スクラップ&リニューアル』の方針で新たな出店は難しいと考えている。また、札幌は出店できる用地はたくさんあるが、競合も厳しく、立地競争になるので難しい。旭川ブロックは、1~2店舗の出店の余地があり、盛んに動いている。帯広ブロック、札幌ブロック、旭川ブロックの3地域以外は、良い用地があっても出店はしない考えでいる。配送の効率もあるが、3地域をより充実させることが先決で、帯広ブロック、札幌ブロック、旭川ブロックの売り上げが1000億円を超えない限り、3地域以外の道内の新規出店は考えられない。
『現場主義』の徹底
Vol.3 〜『現場主義』の徹底〜
守り続ける経営理念―
私は『現場主義』を掲げているが、現場を見ずにトップや幹部が数字だけを見て現場に指示をする企業が多いように思う。現場で現品を見て、仕入れた品物がどんな場所でどんな売価で売られているかを知らなければ、顧客の真のニーズには応えられない。本部に勤務する社員は現場に出向き、顧客の声や現場で働く従業員の声を聞くことで、顧客のニーズを理解し、素早く対応することができるようになる。そのために『現場主義』という経営理念は欠かせない。
顧客を喜ばせることで社員も成長
顧客に支持される強み―
生鮮を中心に、惣菜も含め顧客に喜ばれることをやりたいと思っている。鮮度や品質にこだわりつつ、価格は安く、さらに惣菜については、美味しくて作り立てでなければならない。顧客に喜ばれることをやるということは、会社にとって割に合わないことが多いものだが、商売をする以上それを放棄することはできない。リスクもありコストも掛かるが、『現場主義』で諸問題を改善できれば顧客を喜ばせることができ、引いては社員一人ひとりの成長にもつながると信じている。
オンリーワンの企業を目指す
将来のあるべき企業の姿―
流通業界の中では、異色で個性ある企業でありたいと思っている。総体的にバランスのとれた企業ではなく、言うなれば『ナンバーワン』ではなく『オンリーワン』の企業でありたい。どこか一点強みを持つ企業でありたい。生鮮や惣菜を中心としたダイイチしかできない商品を提供する『オンリーワン』の企業を目指したい。
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鈴木 達雄(すずき・たつお)1947年4月26日、清水町生まれ。株式会社ダイイチ代表取締役社長。清水高校卒。65年4月、宮本商産株式会社入社。77年5月、株式会社第一スーパー(現・株式会社ダイイチ)入社。86年11月、株式会社第一スーパー取締役。92年11月、株式会社ダイイチ常務取締役。98年12月、同社専務取締役。2008年12月、同社取締役副社長。10年12月、同社代表取締役副社長。11年12月から現職。
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Information
企業情報
法人名 | 株式会社ダイイチ ダイイチ |
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創業 | 1958年(昭和33年)7月 |
代表者 | 代表取締役社長 鈴木 達雄 |
業種 | 小売業 |
資本金 | 16億3900万円 |
従業員数 | 1226人(正社員261人) |
年商 | 2014年3月期 303億9800万円 2013年3月期 296億4000万円 2012年3月期 278億8800万円 2011年3月期 271億9200万円 2010年3月期 273億9900万円 |
所在地 | 〒080-2470 帯広市西20条南1丁目14番地47 |
電話番号 | 0155-38-3456 0155-38-3434(FAX) |
WEB | http://www.daiichi-d.co.jp/ |
代表取締役会長 | 小西 保男 |
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代表取締役社長 | 鈴木 達雄 |
専務取締役 | 若園 清 |
取締役 | 川瀬 豊秋 |
取締役 | 中本 泰廣 |
取締役 | 野口 一 |
社外取締役 | 内藤 龍信 |
社外取締役 | 宮川 明 |
社外取締役 | 井雲 康晴 |
常勤監査役 | 堀内 健三 |
社外監査役 | 佐藤 裕 |
社外監査役 | 笹井 祐三 |
主な役職者名
本部・センター |
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帯広営業本部 帯広市西20条南1丁目114番地47 |
旭川営業本部 旭川市春光1条8丁目1-7 |
札幌営業本部 札幌市西区八軒10条東5丁目2番1号 |
帯広配送センター 帯広市西20条南1丁目14番地 |
旭川配送センター 旭川市流通団地2条3丁目15番地 |
惣菜センター 帯広市西20条南1丁目14番地 |
帯広ブロック |
壱号店 帯広市西1条南10丁目14番地 |
東店 帯広市東4条南12丁目1番地 |
啓北店 帯広市西12条北4丁目1番地 |
めむろ店 河西郡芽室町東6条9丁目1番地 |
白樺店 帯広市白樺16条西2丁目2番地 |
みなみ野店 帯広市南の森東1丁目1番地 |
札内店 中川郡幕別町札内共栄町164-7 |
自衛隊前店 帯広市南町南6線28-3 |
音更店 河東郡音更町木野大通東12丁目3-1 |
オーケー店(連結子会社) 河東郡音更町木野大通西17丁目1-4 |
旭川ブロック |
西店 旭川市2条通4丁目134番地 |
東光店 旭川市東光12条6丁目203番地 |
末広店 旭川市末広1条7丁目265番地 |
東旭川店 旭川市東旭川北1条1丁目3番37号 |
旭町店 旭川市旭町1条7丁目2631 |
二条通店 旭川市2条通23丁目110番1 |
花咲店 旭川市春光1条8丁目1-77 |
札幌ブロック |
八軒店 札幌市西区八軒10条東5丁目 |
白石神社前店 札幌市白石区本通13丁目北3番39 |
発寒中央駅前店 札幌市西区発寒10条3丁目1-11 |
清田店 札幌市清田区清田2条3丁目 |
恵み野店 恵庭市恵み野里美2丁目15番地 |
子会社 |
株式会社オーケー |
有限会社ダイイチリスクマネージメント |
支社・支店関連会社等
1958年 | 生鮮食料品の小売業を目的として『株式会社帯広フードセンター』を設立。市内に第一号店の本店(現、壱号店)を出店 |
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1963年 | 旭川市に出店のため、商号を『株式会社帯広フードセンター』から『株式会社第一スーパー』に変更 |
1991年 | 商号を『株式会社第一スーパー』から『株式会社ダイイチ』に変更 |
2004年 | 札幌市に進出。ジャスダック証券取引所に株式を上場 |
2012年 | 証券会員制法人札幌証券取引所に株式を上場 |
2013年 | 東京証券取引所ジャスダックに株式を上場。株式会社イトーヨーカ堂と業務・資本提携を締結し同社に対する第三者割当増資を実施 |