勝毎ビジネス -KACHIMAI BUSINESS-

北海道十勝の企業情報サイト「勝毎ビジネス」

勝毎ビジネスは地元経済の専門サイトとして、ローカルな企業情報を提供します。十勝には、商工業にかかわる1万6000余の事業所があります。その中には全国、世界へ飛躍する企業も存在し、基幹産業である農業の発展とともに注目されています。人口減少という地域課題を抱えているものの、豊かな自然に恵まれた大地を背景に、さらなる発展の可能性を秘めた十勝。U・I・Jターンを誘発し、地域がより豊かになることを目指し、積極的に情報を発信します。

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有限会社 五日市

十勝の社長に聞くTop Interview
十勝の社長に聞く

Vol1. 『かみこみ豚』のブランド戦略

Vol1. 『かみこみ豚』のブ…



― 主力の「かみこみ豚」、改めてどういうものなのか、教えてほしい。

 部位で言うと、肩ロースに近いリブロースで、脂身の多さ、赤身のしまりなど自社で選定基準を設けて形にした豚肉。脂身はかみこみが第一基準。昔からロース芯の下に脂が非常に厚く入っている肉を「脂がかみこんでいる」という意味で職人たちは「かみこみ脂(の肉)」と呼んでいた。他には赤身のしまり具合。これは肉を触ってみないと分からない。よく言われるが、産地や餌に基準があるわけではない。

― 2009年に商標登録を取り、本格的にブランド販売を始めた。

 十勝の豚丼に合う肉を職人が追求する中で、かみこみ豚は何となく存在していた。ただ、自分が入社後、新規顧客への営業の中で、肉のおいしさをアピールするため、しっかり一つの形にすることで分かりやすくなると思った。
 取引先は飲食店がメーンで、豚丼店や居酒屋、レストラン、ホテルなど。1日の販売量は平均すると800キロにも及ぶ。現在は道内4カ所をはじめ、青森や仙台など7カ所のと畜工場で解体されたものを、当社の基準に合う品だけを選別してもらい、全量引き受ける形で仕入れている。全体頭数の2、3%ほどの量しかなく、年々その割合が下がっている。

― それはなぜか。

 今の企業養豚と言われる完全管理では、1日に食べる餌の量や質がコントロールされていて、豚が過剰に太ることができなくなっている。畜種も改良され、みんな効率よく同じく成長するような育成プログラムになってきている。

― 市場では均一化された商品が主流となる中、あえて規格外とも言える品に目をつけた。

 国産豚として一括して出荷できるものを、五日市のため一本ずつ確認してもらう分、手間賃として仕入れ値は逆に高い。さらに社内でベテランと若手が混じった職人たちで絞り込む。基準は見た目と感覚。明確な数値的基準はないが、毎日見ていると半年ほどである程度は分かってくる。

― 近年、海外にも出荷を始めた。

 「基盤は十勝」は今も今後も変わらないが、地元の顧客の依頼を受け、今春から香港に一部、かみこみ豚の出荷を始めた。今後も需要と供給のバランスを見て海外に挑戦していきたい。

Vol2. 『八千代』ブランドの継承

Vol2. 『八千代』ブランド…



― 消えかけたハムソーセージの「八千代ブランド」の灯を引き継いだほか、市の畜産加工研修センターの指定管理も受けた。

 ハム・ソーセージ加工製造に参入することで、食肉の販売チャネルを増やし、売り込み拡大が図れると思ったのが第一の理由。加えて、八千代牧場一帯は恵まれた自然環境の中にレストランや加工施設があるが、正直、帯広の観光地としての知名度は高くない。(民間企業である)われわれに何かできるのではという思いにも駆られた。
 製造を引き継いだ後、特に歳暮や中元需要を中心に引き合いが増えている。一方、加工設備が古いため、現在、国の補助を受け、市が一部設備の改良工事を進めている。3月には完成するが、製造能力はこれまでの2倍になる。今後は一般売りのほか、うちが得意とする飲食店向けの業務の商品の開発を強化していく。

Vol3. これまでの歩み、そして将来へ

Vol3. これまでの歩み、そ…



― 2年後、創業50年を迎える。その間、事業を拡大してきた。

 私が入社した当時(2004年)はまだまだ小さかったが、その3年後くらいから、全国で開催される北海道物産展が注目され、ジンギスカンや豚丼が人気となり、その波に乗れた。当時の顧客が今も販路の中心になっている。本社の移転も一つの転機となった。工場の規模を拡大し、作業場所を見てもらおうと、ガラス張りの設計とした。その後、道HACCPを取得。反応もよく、安心感があると言っていただける。

― 人の確保への課題、人材育成は。

 若い人に肉屋の魅力を伝えたいと、他社の工場を積極的に見学する機会を設けている。福利厚生面では、本社移転に合わせ、従業員食堂を開設し、1食300円で食べ放題で提供している。もちろん肉料理中心。自店で肉を購入する際の従業員割り引きもある。単純なことかもしれないがやれることを還元している。

― 後継はいつ意識したか。

 父の跡を継ぎたいと思ったのは高校生のころ。父に経営者として憧れた部分が大きい。父は日頃、若いころに数字(会計)で苦労したと言っていたので、大学卒業後はまず、会計事務所で会計の礎を学んだ。お客さまに対し、何を売りたいのかしっかり伝えられる肉屋でありたい。そのため、いかにお客さまに自分を知ってもらい、信じてもらえるか。私の経営の師はお客さまだと思っている。

― 将来ビジョンを聞かせて欲しい。

 かみこみ豚は当社の売り上げ全体の3割強を占める主力だが、一つのアイテムに固執せず、新しいものを生み出さなければならない。会社として一番やりたいことは肉の目利きを生かした商売。かみこみ豚に次ぐもの、それは鶏肉なのか、羊肉、牛肉なのかは分からないが、いい出合いや自分たちの感性が合えば、(第2のかみこみ豚を)生み出していきたい。

五日市大(いつかいち・だい)

五日市大(いつかいち・だい)1980年帯広市生まれ。緑ヶ丘小、帯広第五中、帯広北高、北星学園経済学部卒。四ツ谷会計事務所(現きずな会計事務所)で2年間勤務した後、2004年に五日市入社。総務係長などを経て、10年に専務、15年から現職。

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企業情報Information
企業情報

法人名 有限会社 五日市
イツカイチ
創業 1992年(平成4年)8月27日(昭和44年11月創業)
代表者 代表取締役 五日市 大
業種 食肉卸、小売業、食品卸
資本金 1400万円
従業員数 103人
所在地 〒080-0010
帯広市大通南21丁目7番地
TEL 0155-26-0439
FAX 0155-21-2929
WEB
年商 2017年6月期 24億5091万8589円
2016年6月期 24億3978万1542円
2015年6月期 23億0982万1596円
2014年6月期 21億4808万1398円
2013年6月期 18億4849万7129円
2012年6月期 17億2142万5691円
2011年6月期 15億4145万7484円
2010年6月期 15億0379万7844円
2009年6月期 13億8038万7376円
2008年6月期 12億2002万3326円
代表取締役 五日市 大

主な役職者名

(有)五日市 釧路営業所
〒085-0017 釧路市幸町14丁目2-16
(有)五日市 八千代工場
〒080-2336 帯広市八千代西4線190

支社・支店関連会社等

沿 革
1969年 緑ヶ丘 中井ストア内に五日市精肉店として起業、小売業に専念
1970年 飲食店卸を中心に業態変更
1991年 緑ヶ丘一条通3丁目に社屋と工場を新築
1992年 有限会社 五日市(法人設立)
2000年 南町店開設 惣菜、加工品工場 スーパー当販売納品
2008年 商品名「かみこみ豚」で特許申請提出
2008年 釧路営業所開設
2009年 商標「かみこみ豚」で特許庁より許可(商標登録第5198176号)
2010年 創業40周年年記とする
2012年 本社を大通南21丁目7番地に移転
2015年 八千代ハム工場運営開始
2015年 北海道HACCP自主衛生管理認証制度を取得(味付ラムジンギスカン)

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