景気判断に「回復」文言 日銀帯広7月発表金融経済概況
日本銀行帯広事務所は13日、十勝の金融経済概況を発表し、5、6月の管内主要金融経済指標に基づく十勝の景気の全体感を「緩やかに回復しつつある」とし、判断を3カ月ぶりに上方修正した。基調判断に「回復」という文言が入るのは過去10年で初めて。
個人消費が底堅く推移し、雇用情勢も改善が続く中、減少傾向で懸念材料だった公共工事も、早期発注効果もあって前年を上回って推移した。
公共工事請負金額は6月、前年同月比50%増と、5月(前年同月比26%増)に続き前年を上回っている。公共工事は昨年度、平成に入って過去最低となったが、今年度の年度トータルの事業量は、国、道、市町村の合算で前年度比増が見込まれている。
新設住宅着工戸数は5月が同17・6%増。持ち家が同27・9%増となった他、直近の3カ月連続で前年割れした貸家も同19・4%増となった。
個人消費では、5月の主要小売店の売上高が、衣料品の不振などで同1・1%減と14カ月ぶりに前年を下回った。
自動車販売は6月、軽自動車の低調で全体では同2・7%減だったが、普通・小型車は同13・5%増と好調だった。家電販売は白物家電、テレビが堅調に推移している。
有効求人倍率は5月、0・96倍と18カ月連続で前年比を上回った。6月の企業倒産はゼロ件だった。
管内景気の基調判断は、2015年4月に「基調としては持ち直しているものの、そのテンポは緩やかになっている」とした後、同年7月、16年4月にはそれぞれ上方修正されている。
同所では、今後も為替、金融市場の影響などに注視が必要としている。
(長田純一)