勝毎ビジネス

帯広信用金庫

地域とともに地域社会発展に貢献

 1916年に故・高倉安次郎組合長ら37人の経済人が創業。その後、改組を繰り返し、51年に信用金庫法に基づく組織形態となる。創業以来、「地域の皆さまとともに、地域社会の発展に貢献する」を理念に掲げ、地域密着型の金融機関として業績を伸ばしてきた。十勝管内に33店舗を構え、会員数は4万を超える。2009年に預金高は6000億円を突破した。地域貢献事業にも力を入れており、地酒「十勝晴れ」の商品化を実現した「とかち酒文化再現プロジェクト」や、海水を使った製塩に挑戦する「十勝産しお創りプロジェクト」の事務局として関係機関の橋渡し役を務める。

Top Interview
十勝の社長に聞く

地域の支えに「感謝」

Vol.1 〜地域の支えに「感謝」〜

2016年に100年を迎えるにあたって―
 帯広信用金庫を支えてくれた地域の数多くの取引先に対する「感謝」に尽きる。帯広信用金庫が50周年の際に入庫したが、このまま健康であれば、来年100周年に立ち会うことになる。2つの大きな節目を経験できるのは、感慨深い。

驚きの「拓銀」破綻

これまでの歴史、歩みを振り返って―
 一番は旧北海道拓殖銀行の破綻(1997年)。北海道のメインバンクであり、十勝の中でも大きな存在感があった拓銀が破綻したことにより、地域金融機関としての帯広信用金庫の果たす役割が一段と大きくなった。責任の重さを自覚したとき、改めて地域金融機関の持つべき機能を強化しなければならないと気がついた。2000年に「お客様相談室」、2002年にMS(マネージメント・サービス)チームを審査部門に立ち上げた。その後、2003年に業界全体に、地域密着型金融の機能強化要請があったが、既に独自で取り組みを進めていたため、判断の正当性や、自信が芽生えた。

十勝を唯一の営業基盤に

Vol.2 〜十勝を唯一の営業基盤に〜

帯広信用金庫の基盤を支えているものは―
 信用金庫は、地域のサイズで、信用金庫の規模が決まるのだが、信用金庫の優劣は、規模の大小では決まらない。今日の帯広信用金庫をつくったのは、多くのお客様だが、根底には十勝という大きな地域のポテンシャルがある。多くの取引先の皆様に支えられていること、そして、帯広信用金庫が十勝を唯一の営業基盤に取り組んできていることが、地域のお客様の共感を得る要素だったのではないか。

地域の取り組み応援

「十勝産しお創りプロジェクト」について―
 オール十勝で加工食品を作り出す過程の中で、どうしても一つ欠けているのが塩。食品加工は地域課題の一つだが、その過程の中で絶対に必要なものが塩です。十勝産の塩が備わることで、一点の曇りも無いオール十勝の加工食品が出来上がる。ポイントは、塩化ナトリウムと十勝産塩の違いをどう打ち出していくか。十勝のパワーを感じるような個性的な塩をつくりたい。今は試作品の段階だが、みんなで知恵を絞って良質な塩が出来れば、地域の自信にもつながる。「十勝産しお創りプロジェクト」はモデルケースの一つ。

地域とともにあり続ける

Vol.3 〜地域とともにあり続ける〜

地域金融機関として101年以降の展望は―
 101年以降も、帯広信用金庫が目指すべきビジネスモデルになるための取り組みを進めている。それを101年以降にモデルチェンジするのではなく、これまでの100年の延長線上に目指すべきビジネスモデルはある。よりシェイプアップした形で、今のリレーションシップ・バンキングを中枢に据え、地域の人たちのために役立つ金融機関であり続けたい。

農業界との連携強化

地域にある各セクター(業種)との強化連携について―
 これからは農業界との連携をさらに強化したい。帯広信用金庫のビジネスマッチング商談会を開催すると、道外の関係者らは、農業協同組合が参加していることに驚く。これは、長い時間をかけて築き上げてきた信頼関係があるからできること。商談会に参加している農協の中には、組合長が先頭に立って、売り場でバイヤーの話を聞く姿も目にすることが出来る。農商工が連携して地域の中に新たな産業、付加価値産業を興すには、産業界と農業界を結びつける役割が大事で、その役割を帯広信用金庫が担いたいと考えている。

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増田 正二(ますだ・しょうじ)1948年1月2日、新得町生まれ 。帯広信用金庫理事長。新得高卒。66年4月、帯広信用金庫入庫。西支店長、営業推進部長、常勤理事本店長、常務理事を経て2007年6月から現職。14年6月、北海道経済連合会副会長。

Business News
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Information
企業情報

法人名 帯広信用金庫
オビヒロシンヨウキンコ
創業 1916年(大正5年)5月
代表者 理事長 増田 正二
業種 金融サービス業
出資金 13億5100万円
従業員数 426人
初任給・
賞与
大 卒 185,000円
短大卒 155,200円
高校卒 140,300円
賞 与 年2回(6月・12月)
当期
純利益
2015年3月期 21億4500万円
2014年3月期 16億600万円
2013年3月期 14億9100万円
2012年3月期 14億9300万円
2011年3月期 17億200万円
2010年3月期 15億9100万円
所在地 〒080-8701
帯広市西3条南7丁目2番地
電話番号 0155-24-3171
WEB http://www.shinkin.co.jp/obishin/
福利厚生 カールプレックスおびひろ(会員)、トマムヴィレッジアルファ、中札内休暇村
理事長 増田 正二
専務理事 髙橋 常夫
常務理事 小森 正伸
常務理事 髙橋 嗣明

主な役職者名

沿 革
1916年 産業組合法に基づく「無限責任帯広信用組合」として設立
1920年 「有限責任帯広信用組合」に改組
1943年 市街地信用組合法に基づく「帯広信用組合」に改組
1950年 中小企業等協同組合法に基づく「帯広信用組合」に改組
1951年 信用金庫法に基づく「帯広信用金庫」に改組
2015年 現在、十勝管内33店舗にて営業

帯広信用金庫が初めて制定したオリジナルマスコットキャラクター「とかりん」

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