十勝製造業 売上高を更新 34社で1983億円 帝国データバンク
民間調査会社の帝国データバンク帯広、釧路、北見の各支店は、道東地区(十勝、釧根、オホーツク)の製造業を対象とした2017年度売上高上位100社の調査結果をまとめた。十勝地区は34社で、合計売上高は前年度比6・7%増の1983億5700万円と今回も過去最多を更新した。地区別でも5年連続1位となった。十勝勢トップは2位のパナソニックスイッチングテクノロジーズ(帯広)で、49・1%増の477億円だった。
帝国データバンクによると、パナソニック-の売り上げの大幅増は、旧パナソニックデバイス帯広が、グループのパナソニックデバイスタイコー(栃木)と17年4月に合併したことで同社名となり、決算も合算されたことが要因。自動車に搭載する制御装置「車載リレー」の生産が主力。
順位を伸ばした和菓子製造の十勝大福本舗は、主力取引先のセブンイレブンの新規出店で生産増。製造体制も強化した。土谷特殊農機具製作所は、バイオガスプラント製造などを手掛けており、大型案件の納期と重なったことで全体売上高が21・9%伸びた。
ノベルズは16年10月に音更牧場を新たに開設し、販売単価も高値安定の中、出荷頭数が増加し12・0%増。タチノは生コンクリートが高値で安定しており、16年の台風災害復興関係工事受注が順調だったことが要因。前年に決算期を変更したため10カ月実績で、伸び率は出ないが、月収ベースでは16・6%伸びている。
100社の売上高合計は前年比2・1%増の5147億8100万円で、調査を開始した07年度以降で最多。変則決算を除く97社のうち、売上高が前期比増収は64社(前年度は62社)、十勝でランクインした34社のうち増収は25社(前年度19社)。釧路・根室は5・5%増の1612億1000万円、吉原弘基帯広支店長は「十勝は経済が安定しており、釧路・根室、北見などに比べ、業種も満遍なくランクインしているのが特徴」と話した。(佐藤いづみ)